ヤニーナ・ガルシチャ《音楽の絵》

導入期のピアノ教本で、全15曲を収録。小曲はそれぞれ、幼稚園での一日、霧夫人、金魚、雪雲などを音楽的に描いた“絵”で、小さな演奏者の想像力と創造性を育みながら、ピアノを弾くことが喜びと遊びそのものとなるように導く。両手で交互に演奏する最もシンプルな作品に始まり、後になって、伴奏とハーモニーの理念が紹介される。作曲家は、最も簡単な作品においてさえ、その表現豊かなメロディーと巧みな転調によって、説得力のある音楽的世界を創ることに成功している。各曲が伴うデュナーミクとアゴーギクの明確な指示と想像力をかき立てるイラストが、曲集の価値をさらに高めている。